気鋭のアーティストと、伝統工芸のコラボレーション。

気鋭のアーティスト、小松美羽さんとの取り組み。

大和力を、世界へ。小松美羽さんは、日本の神獣など、目には見えない「祈り」を描くアーティストです。彼女の作品は、大英博物館に展示されるなど、世界中で高く評価されています。多くのコレクターが彼女に注目をしており、新作は完成する前に買い手がつくとも言われています。箔一では、この小松美羽さんの創作活動を支える、金沢箔のキャンバスを制作しています。

目次

ライブペインティングでも使われた3連のキャンバス。
キャンバスそのものが工芸品でもある。
日本画の伝統を受け継いでいる、金箔のキャンバス。
金沢箔の伝統を、現代アートともに。



ライブペインティングでも使われた3連のキャンバス。

2020年8月、日本テレビ系列で放送された「24時間テレビ 愛は地球を救う」。その中で小松美羽さんのライブペインティングが行われました。リアルタイムで、一筆ごとに強い想いを込めて描かれた作品は、人々の祈りを形にしたかのような素晴らしい仕上がりでした。この作品は評判を呼び、その後のチャリティーオークションでも非常に高い値が付きました。ここで使われた幅4mを超えるキャンバスは、箔一が制作したものです。
 

金箔のキャンパスにライブペイントする小松美羽さん


キャンバスそのものが工芸品でもある。

3枚一連のキャンバスには、箔一の様々な技術が込められています。伝統的な金屏風を思わせる箔による格子模様。下地には朱色を塗り、かすかに透けて見せる演出を施しています。また、盛り上げるように箔をあしらうことで、平面の上にも陰影が生み出されています。このように技法によって、金沢箔ならではの美しい輝きがいっそう際立たっています。これ自体が、工芸品ともいえるキャンバスです。

小松美羽さんの作品

日本画の伝統を受け継いでいる、金箔のキャンバス。

小松美羽さんは、金箔の上に自由かつ大胆にアートを描き出します。これは、日本画の伝統にも通じています。西洋画では背景をしっかり描きこみ、余白を残すことはありませんが、日本画の場合には、素地をそのまま生かすことがよくあります。そこに使われた和紙や絹などの自然な色彩も、絵画の一部となります。特に安土桃山時代以降には金碧障屏画が流行し、俵屋宗達の「風神雷神」など、金箔を大胆に絵の一部として用いた名作が生まれました。小松美羽さんのキャンパスは、より現代的な手法で制作していますが、こうした伝統にものっとったものなのです。




金箔のキャンパス

 


金沢箔の伝統を、現代アートともに。

箔一では、450年近い伝統を持つ金沢箔の美しさを今に受け継いでいます。そのうえで、金箔をただ平面的に貼るのでなく、立体的にあしらったり、かすれさせたり、あえてひび割れを作るなど多彩な技法を開発してきました。こうしたものを駆使して、気鋭のアーテイスト共に、新しい金箔の表現に挑戦をしています。古来より「金」には極楽浄土のイメージなど、目に見えない空想の世界を感じさせる力があります。箔一では、こうした伝統を受け継ぎながら、現代アートとしての可能性も追求しています。
 

小松美羽さんと箔一代表浅野
箔一第五工場にて。小松美羽さんと当社代表取締役の浅野達也。