日本初、金箔打紙製法のあぶらとり紙の誕生秘話。

京都の芸妓たちから、全ての女性の必需品へ。

いまや、コンビニエンスストアやドラッグストアなどでも販売されているあぶらとり紙。これは、もともと箔打ちに使われる「箔打ち紙」と呼ばれるものでした。
使い終えた箔打ち紙に、皮脂を吸い取る性質があることは古くから知られ、京都の芸妓などを中心に愛用されていました。このあぶらとり紙が、今日のように身近なものになったのには、一人の女性の逆転の発想がありました。
 

目次

箔打ちに欠かせない、箔打ち紙。
一人の女性のアイデアが、新しいスタイルを生んだ。
逆転の発想で生まれた、金箔打紙製法。
多くの女性に受け入れられた、あぶらとり紙。
いまでは2億冊を超えた、あぶらとり紙の出荷量。

箔打ちに欠かせない、箔打ち紙。

箔打ち紙とは、箔打ちの際に金箔を挟み込む和紙のことです。雁皮紙を柿渋や卵白などを混ぜた灰汁に浸し、箔打ち機でたたいて作ります。金箔を薄く均一に伸ばすには、質のよい箔打ち紙が欠かせないとされ、箔打ち職人たちは箔打ち紙の仕込みに最も気を遣ってきました。雁皮紙はもともと繊維が長くきめ細かいものですが、これが数年にわたって叩かれ続けることで、さらに滑らかになっていきます。やがて箔打ち紙の役割を終えるころには、極めて薄くきめ細かい和紙となります。これを、肌にあてると、すっと脂が消えていくような吸収力があることから「ふるや紙」として、京都の芸妓さんなど、ごく一部で愛用されていました。



 

一人の女性のアイデアが、新しいスタイルを生んだ。

この「箔打ち紙」は古くから使われていたようですが、大変に希少なもので、一般には流通していませんでした。
現代のようなスタイルのあぶらとり紙は、箔一の創業者である浅野邦子によって生み出されました。創業間もないころ、浅野が百貨店などの催事に出かけると、箔打ち紙が欲しいといわれることがしばしばありました。しかし流通量が少ないうえ、業界の新参者であった彼女には、安定して仕入れるルートをみつけることは困難でした。
 


逆転の発想で生まれた、金箔打紙製法。

「ないのなら、自分で作ってしまえばいい」。
そう考えた浅野邦子は、業界で初めて「金箔打紙製法」のあぶらとり紙の商品化に取り組みます。箔打ちの副産物ではなく、最初から「あぶらとり紙」のために和紙を打つ。今では当然の発想も、当時としては目からうろこともいえる斬新なものでした。
 


 

多くの女性に受け入れられた、あぶらとり紙。

この金箔打紙製法のあぶらとり紙は、大きな反響がありました。
このあぶらとり紙には、いくつものメリットがありました。一つには、安定的に供給ができるようになったことです。また、価格もはるかに安価なものとなりました。さらに、従来の箔打ち紙は、あくまで箔打ち用。女性の肌にとって良いものとは言い切れません。これも改良され、肌にやさしく、清潔なものになりました。女性が発想し、女性の肌を第一に考えて作ったものだからこそ、広く受け入れられたのです。
 


 

累計で2億冊を超えた、あぶらとり紙の出荷量。

金箔打紙製法のあぶらとり紙は、発売以来、多くの女性の必需品となりました。材料も天然麻に変えるなど、女性の肌を第一に考え品質を向上させています。
私たちは、自社製品のあぶらとり紙だけでなく、多くの企業様のOEM(委託製造)も手掛けています。最近は、パルプ紙などの安価な製品もありますが、和紙を使って丁寧にたたき上げた金箔打紙製法のあぶらとり紙は、最高品質のものとして評価をされています。これまで累計2億冊ものあぶらとり紙を出荷してきました。