NYで、浅野邦子の生涯を偲ぶディナーイベントを開催しました。

2024年5月22日。米国ニューヨーク市のビストロ「Benoit(ブノワ)」にて、弊社創業者の浅野邦子の生涯を偲び、そのものづくりの哲学を伝えるイベントを開催しました。

3名の女性によって生まれたイベント

このイベントの実施にあたっては、一つの背景があります。

浅野邦子は、「金沢箔を世界のブランドにする」ことを夢に描いていました。 その想いを実現しようと、2020年の春ごろから、浅野邦子を中心として友人の大沼洋美氏(株式会社ヒロ代表)、NY在住の小山秀子氏、またラスベガス在住の濱口真澄氏の4名が集って、金沢箔の美を世界へ紹介する企画が立ち上がりました。

BENOIT


金沢箔を世界のブランドにしたい

計画を練る中で、日本人の持つ美意識、品質へのこだわり、高いクラフトマンシップ、そこに浅野邦子のものづくりへの情熱が加わることで、金沢箔は世界に通用するブランドになると期待を膨らませていました。また70歳半ばを迎えた浅野邦子にとっては、キャリアの集大成ともなる事業でした。ニューヨークでの発表を目指し、彼女がものづくりに取り組むプロセスを記録として残すことで、浅野邦子の哲学を後世へ伝えていくことを目指していました。

しかし、残念なことに2023年2月9日に浅野邦子は天へと旅立つこととなりました。

BENOIT


女性たちの強い熱意が、企画を継続させた

主人公の不在によって、このイベントそのものが暗礁に乗り上げましたが、残された3名の女性たちは、なんとしてもイベントを実施したいと強い希望を抱きました。そうした想いを汲むかたちで、箔一が企業としてプロジェクトを引き継ぎ、代表の浅野達也がホスト役を務めるかたちで事業を継続することとなりました。
 

BENOIT
イベント開始前に運営スタッフにて。左より箔一の吉田、発起人の大沼洋美氏、BENOITのSHOKO氏、発起人でNY在住の小山秀子氏、箔一代表浅野達也・博子夫妻、ラスベガス在住の濱口真澄氏


NYのビストロと、箔一のご縁

今回のイベントが実現した背景には、もう一つの縁がありました。 会場に選定されたニューヨークのビストロ「Benoit(ブノワ)」は、フレンチの巨匠アラン・デュカス氏の経営です。同氏は金沢箔への関心が高くフランスのレストランで箔一のテーブルウエアを採用しています。つい先日も金沢の箔一本店を訪れ、熱心に打合せをしていかれました。

benoit


NYで活躍する日本人女性が華やかに集った

今回のイベントでは、16名のゲストを呼んでディナーパーティーを開催しました。 参加者は、ニューヨークに在住し、長年日本文化を広めてきた功績のある日系人女性たちを中心にお声がけをしました。和菓子文化、パティシエール、包丁などの食器の販売、通販サイト運営、輸入業者、デザイナー、実業家、インフルエンサーなど、単身ニューヨークで活躍してきた彼女たちにとっても、浅野邦子の生涯は魅力的で、多くの共感の声をいただきました。

benoit
benoit


浅野邦子の夢を受け継ぐために

イベントでは、浅野邦子の生涯をまとめたドキュメンタリーフィルムを放映し、そこに描かれた彼女の生涯を語り合いながら、金沢箔のテーブルウエアを用いたディナーを楽しみました。後半には、金箔の実演なども行いました。参加者はみな、金箔の美しさに強い印象を持ったようで、浅野邦子の夢である金沢箔を世界のブランドにするための足掛かりとなりました。

benoit
当日集った、華やかな参加者と共に