加山又造作品の取り組みについて。

加山又造氏の名画に新しい命を。

私たちは、戦後日本を代表する画家である加山又造氏の作品を、アートパネルなど様々な形で提案をしています。この事業は、加山さんのご長男哲也さんらとともに進めているものです。その取り組みについてご紹介します。

目次

日本画の名作を、現代の暮らしの中に。
新しい箔の魅力を感じさせる作品。
多彩な工芸の技法が用いられた絵画。
過去の名作の模倣ではなく、新しい価値を持つものを。
金箔の持つ、静けさや象徴性という魅力。
屏風絵の現代的な解釈としての、5連パネル。
伝統と革新という精神も、受け継いでいきたい。
 


日本画の名作を、現代の暮らしの中に。

加山又造氏は、戦後の厳しい時代にあって、伝統的な日本画の力を再度広く知らしめた画家です。古典を研究しながらも、新しい感性で新世代の日本画の世界を切り開いていきました。その又造さんの長男哲也さんは、陶芸作家として活躍されながら、有限会社加山を設立し、作品の管理や展覧会のサポートを行っています。私たちは、哲也さんとともに、氏の素晴らしい作品を現代の暮らしの中で生きるアートとしてよみがえらせるプロジェクトに取り組みました。



 

新しい箔の魅力を感じさせる作品。

加山又造氏は、箔の可能性を大きく広げた作家でもあります。その箔の使い方は、個性的でかつ斬新です。これまで金箔は、屏風絵などに代表されるように、豪華絢爛なイメージを強くもたれていました。また、主には背景として使われることが多く、絵を描くための土台という捉え方が一般的だったように思います。加山又造氏の箔の使い方は、そうしたものとは一線を画するものでした。


多彩な工芸の技法が用いられた絵画。

加山又造氏は、箔を用いてモチーフを描くという手法をとっています。そこには、様々な技法が駆使されています。四角い箔を並べて貼っていく「平押し」、細い箔で絵や模様を描く「野毛」、細かな箔を振りかける「砂子」、フレーク状の箔をちりばめる「ちぎり箔」、金粉を膠などで固めて絵の具のように使う「金泥」、さらには銀を硫化させて変色させる「燻し」など、実に多彩です。これらは、絵画というより、むしろ工芸の世界の技といえます。加山又造氏は工芸の技法を絵画に取り入れることで、箔の可能性をも大きく広げていきました。


過去の名作の模倣ではなく、新しい価値を持つものを。

このプロジェクトで目指したのは名作の模倣ではなく、その魅力を受けついだ新しい価値を作ることでした。金箔や銀箔の輝きを最高のものにするのはもちろんのこと、作品の魅力を存分に表現しつつ、それを現代的な暮らしで使えるものにしたいと考えました。哲也さんをはじめとするご家族にも、芸術家として、また加山作品の専門家として、厳しくチェックをいただきました。そうして完成したのが、この5連のアートパネルです。




金箔の持つ、静けさや象徴性という魅力。

加山又造氏は、その著作で、金や銀という色彩に対して、象徴性や静けさ、永遠性といったニュアンスを感じていたと語っています。この「千羽鶴」では、シルエットのように立体感のない鶴が、2色の金によって表現されています。力強く羽ばたきながらも、どこか幻想的でもある千羽鶴。その色彩である金は、豪華さというよりも、神秘的な静けさを感じさせます。

屏風絵の現代的な解釈としての、5連パネル。

加山又造「千羽鶴」のオリジナルは、国立近代美術館に所蔵されています。6曲一双、横幅7mを超える屏風絵です。私たちは、屏風絵の現代的な解釈として、5連パネルを提案しています。つながっていながら、折り目ごとに分割される屏風絵には、独特の構図の妙があります。一方で、かつては風よけや間仕切りとして使われていた屏風も、現代の暮らしでは使われる機会が少なくなりました。私たちは、屏風絵の素晴らしさを活かしながら、現代的な暮らしに合わせた形にしたいと考え、連作形式のアートパネルとしました。

伝統と革新という精神も、受け継いでいきたい。

加山又造氏は、伝統と革新という姿勢を生涯貫いた芸術家です。琳派などの古典を熱心に研究しつつ、シルクスクリーンやスプレーガンなど、新しい手法も積極的に取り入れていきました。晩年にはコンピューターグラフィックスにまで関心を示していたといいます。私たちは、そうした創作への姿勢も、受け継いでいきたいという想いを込めて、このアートパネルを提案しています。

 

アートパネルについて

商品名
アートパネル 加山又造千羽鶴<5枚>
価格
660,000円(10%税込)
備考
受注生産(製作期間約2ヶ月)